将来に対するお金の不安

11月 2, 2012 Author admin

「日本人は貯蓄好き」と言われていますが、これは本当でしょうか?やれ、農耕民族だからだの、勤勉で質素を美徳としている気質からだの、とよく言われますが?

もともと日本の貯蓄のはじまりは明治になってからです。明治政府が全国に郵便局を設置し、郵便貯金制度の導入を開始したのが始まりと言われています。これは国民に貯金をさせて、国家と企業の繁栄のために使われたのものと言われています。

その後家計貯蓄率は、かつて1970年代半ばには25%近くまで上昇し、確かに先進国の中でダントツの貯蓄率でした。そのあたりから「日本人の貯蓄好き」というイメージが定着したようです。

それが最近、大きく低下してきているようです。2011年のOECD(経済協力開発機構)のデータによると、日本の貯蓄率は主要国内で最低水準にまでなっているのです。アメリカよりも低く(3.6%)、財政が危ないと言われているイタリアよりも低い数値(7.5%)で、オーストラリアの3.0%に次ぐ最低の数値として統計が発表されたのです。

確かに近年の不景気、貯蓄ゼロ家計の増加なども影響しているのででしょうが、1994年には12.9あった貯蓄率の数字が、今や2.9の日本。これらの数字には社会保障、年金問題など個人の努力では改善しようもない事柄も影響していると思います。

今の中国は経済成長が著しい国ですので、人々もお金にはとても意欲的です。約半数の人が定期的に貯蓄し、月収に占める貯蓄割合も20%以上という人が54%強です。しかも投資に励む人も82%強ということです。生活を切り詰めるよりは、稼いで積極的に貯めていこうという印象です。

米国は「消費の国」というイメージが強いように思いますが、リーマンショックなどの影響もあり、今はお金に対してはとても堅実です。66%もの人が定期的に貯蓄をしており、生活を切詰めるなどの努力をしている人が79.9%、欲しいものを我慢している人が79.1%、投資も54%ということで、非常に努力していることがわかります。

今回の調査で日本人特有と思われる結果が出たのは、「将来に対するお金の不安」「自分の将来への期待度」でした。91%もの人が将来のお金に不安を感じ、33.3%の人しか自分は今後よくなると思えていない。67.7%の人は今のままか今より悪くなるかも、と思っているということです。つまり、将来的な不安が大きすぎて貯蓄の目標も漠然とし、何となく不安なので貯めている、ということが、貯蓄が積極的に伸びない要因になっていると評論されているのが現状です。